ニュース 日本の世界文化遺産 文化遺産情報 バーチャルツアー

 平遥古城


平遥古城
遺産形態 文化遺産
遺産名称 平遥古城
関連遺産ページ -
遺産規模 面積2.25km2。壁の周囲の全長6.4km。壁の高さ8〜12m。
所在地 中華人民共和国山西省平遥市
位置図 位置図
地理(周辺状況) 平遥古城のある山西省は北京から約500km西にあり、鉱物資源及び観光資源に恵まれている。黄河の中流に位置し、北は内蒙古自治区、西は陝西省、南は河南省、東は河北省と接している。気候は大陸性季候に属し、南東にある山脈が海からの風を阻ているため、隣接している華北平野の気候より気温が低く、乾燥している。冬の寒さが厳しく、昼と夜の気温差、年間の気温差が激しい。夏の平均気温23.4度、冬の平均気温は-6.4度。内陸に位置してはいるが、歴史・文化遺産が豊富で、「中国古代建築の博物館」と称されているように、唐・宋時代より以前の時代の現存する建築物の約70%が山西省にある。そして、省都・太原から約90km南、山西省の中部に平遥市がある。汾河が南北に流れ、のどかな田園風景が広がり、城壁に囲まれた静かな街であるが、市の南部には同蒲鉄道が走り、高速道路が市の西北を通る交通の要衝でもある。
世界遺産登録状況 登録基準 (1)人類の創造的天才の傑作を表現するもの。
(2)現存する又は消滅した文化的伝統又は文明の、唯一の又は少なくとも例外的な証拠であるもの。
(3)人類の歴史上重要な時代を示す、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積又は景観の顕著な例。
登録年月日 97/12/03
危機遺産登録 なし
成立時期(時代等) 紀元前9〜8世紀および14世紀
遺産概要 かつて、中国の都市は城壁で囲まれていたが、現在では西安、興城等のいくつかの都市を除いて現存する都市は少ない。平遥古城は、その内の一つであり、昔、山西商人が活躍した地方経済都市である。
街は横一線の城壁に囲まれ、全長6.4km、高さ8〜12m、壁上部の幅が3〜5mあり、外側に幅、深さともに4mの壕がめぐらされている。外側表面は全て磚(煉瓦)を築き、内側を「版築」という工法で築いており、城壁上部にも磚が敷かれている。城壁外側には頂部が凸凹の朶口(銃眼)があり、馬面と呼ばれる72ヶ所の張り出しが造られている。馬面の上には敵に襲われた際に身を隠しながら矢を放つ敵楼が建てられている。城壁の内側には、馬が駆け上がるためのスロープが設けられている。
東西南北に6つの門があり、西門の内側から城壁の上に登ることができる。城壁の保存状態は良く、西周時代から続くものとしては漢民族地域で最良とされている。
城壁以外でも街路、市場、商店など多くが明代の原型をとどめており、城内には300余りといわれる史跡が残されている。現在は中学校として利用されている文廟は金代(1163年)に再建されたもので、宋・金代の建築様式を伝えている。大街路北にある清虚観(道教寺院)の創建は唐代(660年)にまで溯り、元、明、清代に再建されている。また、四合院形式の住宅を見ることができ、山西から始まったとされる金融機関「山西票号」も保存されている。
この街の中心にある市楼は高さ20m余り、2層3楼の壮麗な造りになっており、昔はここで日に3度も市が開かれていた。他にも街の守り神を祀る城隍廟、沙巷街の関帝廟など数多くの歴史的建造物が残されており、全体として明清代時代の伝統的都市の雰囲気を感じることができる。

back


Copyright©Asia-Pacific Cultural Centre for UNESCO(ACCU) all rights reserved