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 万里の長城

万里の長城
遺産形態 文化遺産
遺産名称 万里の長城
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遺産規模 現存する主要な部分 約3,000km。総延長距離12,000km。
所在地 中華人民共和国河北省、北京市、山西省、陝西省、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、甘粛省
位置図
地理(周辺状況) 一般にいう万里の長城とは、明代に構築され、現存する約3,000kmの部分を指すことが多い。これは、東は渤海湾を望む山海関に始まり、中国の北方を西に向かい、北京市、河北省、山西省大同の北方の内モンゴル自治区との省境を走って黄河を渡り、陝西省の北端を横断して再度黄河を越え、寧夏回族自治区の北端を横断して、甘粛省北部嘉峪関に至る区間である。ただ、この現存する部分の他にも、中国の北部の16の省・市・自治区にまたがって長城の遺構が発見されており、全長は容易に算出できない。気候は、全域に渡って乾燥していることは共通だが、東部から西に行くにつれて亜寒帯気候、ステップ気候、砂漠気候、と移り変わり、一日の気温差、年間の気温差とも大きくなる。
世界遺産登録状況 登録基準 (1)人類の創造的天才の傑作を表現するもの。
(2)ある期間を通じ又は世界のある文化上の地域において、建築、技術、記念碑的芸術、都市の構成又は景観の意匠に関し、人類の価値の重要な交流を提示するもの。
(3)現存する又は消滅した文化的伝統又は文明の、唯一の又は少なくとも例外的な証拠であるもの。
(4)人類の歴史上重要な時代を示す、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積又は景観の顕著な例。
(5)顕著な普遍的な重要性を有する出来事又は現存する伝統、思想又は信仰、芸術的及び文学的作品と直接に又は明白に関連するもの(委員会は、この基準が一覧表への登録を容認するのは、極めて例外的な場合、かつ他の文化遺産又は自然遺産の基準と関連している場合に限られるべきであると考える。)。
登録年月日 87/12/11
危機遺産登録 なし
成立時期(時代等) 紀元前657年より一部建設開始、1600年前後に全行程完成
遺産概要 古代中国では、外敵や異民族の侵入から国を防御するために「長城」と呼ばれる防御壁が諸国によって作られた。この起源は春秋戦国時代(紀元前7世紀頃)にさかのぼるが、これら諸国によって別個に作られた長城が秦の始皇帝によって、統一整備された。また、現存する長城のほとんどはさらに時代を下って明代(17世紀)に築かれたものである。一般にいわれる万里の長城は明代に構築された現存する部分であり、渤海湾を望む山海関から甘粛省西部の嘉峪関にいたる約3,000kmのことである。
万里の長城はその規模、構築に要した時間など、世界史上最大規模の建築物である。明代に構築された万里の長城からは、当時の設計技術の高さをうかがうことができる。主要部分は敵の侵入を防御するための高大な城壁であり、要所要所には関所、敵台(兵隊の駐屯地、武器貯蔵庫)、のろし台が配置されている。敵の侵入に備えて、領土の防御、通信拠点としての役割を持っていたわけである。
万里の長城は長い年月に渡って構築された遺構であり、初期に構築された部分はほとんど風化してしまい、明代構築の一部でも、材料調達の都合上、粗末な材料で造られた部分は風化が進んでいる。万里の長城は1961年には中国政府により国家重点文物保護単位に指定され、八達嶺、山海関、嘉峪関を中心に重点的に修復が進められている。また、1987年には世界遺産として登録された。

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