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原爆ドーム

原爆ドーム世界遺産としての価値
 ドームは、人類史上初めて使用された核兵器の惨禍を如実に伝えるものであり、時代を越えて核兵器の究極的廃絶と世界の恒久平和の大切さを訴え続ける人類共通の平和記念碑である。
 ドームのように核兵器による被爆後の惨状をそのままの形で伝えている建造物は他に存在しない。


保存修復の歴史 

 ドームは、被爆後、被害を受けた状態のままに維持された。形態上の大きな変化はなかったが、風雨等による劣化や奨励における倒壊の虞れもあったことから、広島市は2度にわたり専門家の指導のもとに保存工事を行ってきた。保存工事は被爆後の状況をそのまま保存することを目的としている。

 第1回目の保存工事は、1967年に行われた。広島市は、工事に先立ち広島大学にドームの強度調査を依頼した。その結果に基づき、工事ではエポキシ樹脂接着剤を使用する工法を主とし、破損が激しく危険な部分のみ、補助鉄骨による補強や落下レンガの積み直しを行った。

 第2回目の保存工事は、1989〜90年に行われた。工事は専門家による事前の調査と指導により実施され、劣化した合成樹脂・モルタルの再充填、補強鋼材の取替え等を実施した。

 第2回保存工事以後は、3年ごとに、モルタルの浮き、補強鋼材の腐食、沈下量、鉛直度、合成樹脂の劣化状況につき調査を行い、保存状況をチェックすることにしている。

※世界遺産一覧表記載推薦書より抜粋

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