topics
line
ユネスコ 第25回世界遺産委員会で審議

大仏殿を訪問
開会にあたって挨拶をする文化大臣
 ユネスコの世界遺産について審議する第25回世界遺産委員会が、昨年12月11日から12月16日までフィンランドのヘルシンキで開かれました。このなかでアフガニスタンの復興支援が議題として取り上げられ、バーミヤン石仏破壊は、「人類共通の遺産に対する犯罪である」と遺憾の意を表明。文化財保存活動のために、まず、カブール国立博物館やバーミヤン、古都ヘラートなどの現状調査が必要であることを決議し、続いてアフガニスタンが推薦したバーミヤンを含む遺跡について、危機にさらされている遺産に登録するかどうか及び石仏の再建についても検討されました。また、2002年は、世界遺産条約が採択されて30周年を迎えることから、記念事業として、10月にストラスブール・北京・エジプトを結ぶバーチャル会議を開催することや、11月にはベニスで世界遺産国際専門家会議を開催することなどの議案を採択。
大仏殿を訪問
コルデイレラの棚田
 世界遺産に登録されている物件の保全状況の審査では、アジア・太平洋地域において、フィリピンの「コルデイレラの棚田」が、危機にさらされている遺産リストに加えられました。この遺産は、ルソン島北部の山岳地帯の急峻な傾斜地を約1000年前から農民たちが代々にわたって切り開いて造成した壮大な棚田です。アジアの稲作が、地形と気候の制約を克服して発展してきたことを示す顕著な物証として極めて価値が高いことから、1995年、文化遺産に登録。しかし、棚田を引き継ぐ者が徐々に少なくなり、今では約30%の棚田の耕作が放棄され、石積みの損傷が進んでいます。危機にさらされている遺産に登録されたことで、棚田保護のための中長期的な財源の確保及び伝統的な技術の継承など、遺産保全のための計画の策定が今後、進められます。


 新たな遺産の登録審査では、文化遺産25件と自然遺産6件の計31件が、世界遺産リストに追加されることが決まりました。このうち、アジア・太平洋地域では、中国の「雲崗石窟」、ラオスの「チャムパサクの文化的景観におけるワットプーと集落跡」、ウズベキスタンの「文明の十字路・サマルカンド」(名称はいずれも仮訳)が含まれます。この結果、世界遺産に登録された物件は、自然遺産144件、複合遺産23件、文化遺産554件の計721件になりました。
 第27回(2003年)の委員会からは、新規物件の審査を30件に限定されることが決まりました。このなかで、各国からの推薦物件は1件に限られますが、721件の登録遺産のうち、ヨーロッパ諸国からの登録件数が、アジアやアフリカ諸国よりも極端に多いという、登録数の地域的な不均衡是正の観点から、未だ登録遺産を持たない国は3件まで推薦できます。委員会では、推薦数の制限の是非、優先順位の付け方などについて議論されましたが、世界遺産としての価値を維持しているかの審査件数なども急速に増えており、登録された遺産の保全を十分にフォローする必要があることからも、新規登録審査数の制限はやむを得ないと決議されました。
 次回の委員会は、本年6月にハンガリーのブダペストで開催される予定です。



2002 Asia-Pacific Cultural Centre for UNESCO(ACCU)
ALL RIGHTS RESERVED
backnexttop