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唐招提寺  

  唐招提寺は、戒律を学ぶ寺として、唐僧・鑑真が759年に創建しました。教義上、立派な伽藍よりも、住むに足るだけの僧坊や食堂、仏法を講じる講堂が必要ですので、まず最初にこれらの建物が建てられました。そして、鑑真の没後、奈良時代末に金堂が完成し、810年には五重塔が建立され、順次伽藍が整いました。

 平安時代末にはかなり荒廃していたようですが、鎌倉時代後期に建物の修造や再建が続きました。その後、地震で回廊と食堂が倒壊し、1802年には落雷により五重塔を失います。幸いなことに金堂と講堂など創建時の主要な建物は残りました。唐招提寺は、まさしく奈良時代建築の宝庫です。

 現在、唐招提寺・金堂では、かつてない大修理が行われています。

 屋根瓦が取り除かれ、屋根の下地の材木がはがされ、骨格部分の本格的な取り外し作業が始まっています。解体された部材には、再び組み立てるため、一つ一つ番号と記号が書かれていきます。気が遠くなるほど根気のいる作業です。

 歴史的な木造建造物の場合、約100年に一度、屋根をふき替え、300年から500年に一度、傷んだ部材を取り替える大きな修理をするのが一般的です。この建物は、古文書などから過去に4回修理が行われたことがわかっていました。


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