考古遺跡の整備とオーセンティシティ
―“復元の是非”を超えて:アジアの多様な論理と実践―

日程

2025年12月17日(水)~12月18日(木)

場所

奈良県コンベンションセンター

共催・後援・協力

【共催】
文化庁、公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所
【後援】
独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所・奈良文化財研究所、文化財保存修復研究国際センター(ICCROM)、奈良県、奈良市
【協力】
文化遺産国際協力コンソーシアム
国際会議
国際会議

開催概要

近年、アジア各国では、考古遺跡の保存や建物遺構の復元への関心が高まり、日本の専門機関に研修や技術的助言を求める動きが増えています。特に、失われた寺院や宮殿の再建、発掘調査に基づく復元整備の一環として再建方針を模索する動きが各国で具体化しつつあります。しかし、復元に対する価値判断や実践のアプローチは国ごとの多様性が見られ、それぞれの文化的背景や課題に合わせた柔軟な議論の必要性が浮き彫りになっています。

日本でも、オーセンティシティの観点から否定的な見解がある一方で、教育や地域理解の促進を目的として多くの復元事例が進められており、その是非をめぐる議論には新たな論理展開が求められています。

本会議は、アジア各国の考古遺跡の復元・整備の取り組みを共有し、文化財の地域性を踏まえた新たな視点から、「上物のない考古遺跡の整備」「復元という選択肢の意義」について、実践的に議論することを目的としています。理論の整理だけでなく、現場の意思決定や政策判断に役立つ具体的な知見を提示し、日本の幅広い知識や事例の発信と各国の「理論」と「実践」の実情の情報を共有する機会といたしました。

発表タイトル

【基調講演】 考古学的遺跡における木造建造物の復元―世界遺産「古都奈良の文化財・平城宮跡」を事例として―
本中 眞 氏
(独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 所長)
【講演I-オーストラリア】 考古遺跡:保存・管理とその意義
リチャード・マッケイ 氏
(マッケイ・ストラテジック 可能性開発ディレクター)
【講演II-日本】 遺跡復元の価値と復元学
海野 聡 氏
(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 准教授)
【講演III-中国】 隋唐洛陽城遺跡に関する事例研究
肖金亮 氏
(清華同衡都市計画設計研究院文化財保護分院 総エンジニア)
【講演IV-日本】 地域に根差した遺跡の整備活用と研究―岩手県御所野遺跡から―
高田 和徳 氏
(特定非営利活動法人いちのへ文化・芸術 NPO 代表理事)
【講演V-モンゴル】 エルデン・ズー僧院大ツォグチェン寺とバルーン・フレー僧院バット・ツァガン寺の復元の実現性
オドフー・アンガラグスレン 氏
(文化遺産保護局世界遺産オルホン渓谷文化的景観管理局 研究員)
【講演VI-韓国】 韓国考古遺跡の復元に対するオーセンティシティ及び最新傾向―慶州・新羅王京の中核遺跡を中心に―
ホン・バルグム 氏
(国家遺産庁国立伽倻文化遺産研究所 学芸研究員)
【講演VII-ベトナム】 考古学的証拠に基づく李朝ベトナムの宮殿建築:東アジアの文脈における形態学的同定と比較分析
ブイ・ミン・チー 氏
(ベトナム科学技術協会連合アジア文明研究所 副所長)
【総合討議】
司会進行 稲葉 信子 氏
(筑波大学 名誉教授)
西 和彦 氏
(文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室世界文化遺産部門 主任文化財調査官)
サマライザー ロヒト・ジギャス 氏
(ICCROM プログラムマネージャー)
討議参加者 上野 邦一 氏
(奈良女子大学 名誉教授)
鈴木 地平 氏
(文化庁文化資源活用課文化遺産国際協力室世界文化遺産部門 文化財調査官)
高橋 知奈津 氏
(独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所文化遺産部遺跡研究室 室長)